「クッソーっ!もう少しってとこだったのによォっ!」

「それより何なんだー、後ろの奴らは!お前の新しい恋人か?ルパン!」

「そォれが俺も身に覚えがあるような、ないような、あるような、ないような」

「あるんだな!」

「いや、ないない。ホントない。」

「じゃあ何で追いかけられてンだ!」

「俺サマのファン?モてる男は辛いぜ!ほォ〜んと、熱烈な“キス”だことっ。」

容赦なく降り注ぐ銃弾の嵐。
男は右に左にハンドルを切りながら弾丸の雨を器用に避ける。

「はっ!何がキスだ。だったら下りて相手してきてやったらどうだ?」

「そうしたいのは山々なんだけっどよ。
 やぁっぱ“鉛のキス”なんて、ムードに欠けるんでないの?
 どうせなら、こう、ふぅじこチャンの柔らか〜い唇にムチューーーっと」

言いながら、唇を前に突き出す。

と同時に至近距離で『パンッ』という破裂音。

助手席の男は帽子の下から片目を覗かせながらぼやいた。
フロントガラスに穴一つ。
やれやれ、と腰に手をやる。
ベルトから抜いた黒い恋人に軽く口づける。

「ったく、キスも数すりゃいいってもんじゃねェぜ!」

サンルーフから身を乗り出し一発。
マグナムが吠えた。

キュルキュルキュル!!!

先頭のジャガーがバランスを失い、右左に揺れて並走していた
ジャガーと接触!
玉突きキリ揉み、大横転。

ドォォォウン!!!!

1台が大きく飛び上がり、空中で爆発。炎上。合掌。


「“一発で昇天”とは痺れるねェ、次元ちゃん♪」


男はピュウッと口笛を吹きながら、ミラーで確認する。
黒い煙の中から衝突を免れた最後の一台が飛び出してきた。



乗っているのは、あの時の・・・



「やっぱ、敵さんもアレが目的ってか」


面白ぇ! 男の瞳が輝く。

アクセルを踏み込み、最大限に加速。
エンジンが唸る。
ぐんぐん迫る木々の間を走りぬけ、道なき坂を一気に駆け上がり――――
次の瞬間!!!!

視界いっぱいに飛び込んできたのは、突き抜けるような眩しい青空。



林を抜けた――――――







ガウ、ゥ、ン!

坂の頂上で大きくバウンドしたフィアットが再び地面に着地。

途端、ニ〜ンマリと口の端を上げる。


「め〜っけたぜェ!次元っ!!!」

「んあぁ?」

「ハンドルたのまァ♪」

「っな!!?」


言うが早いか、降り注ぐ銃弾を恐れることなく車外へ身を乗り出した。


「今度は絶対に逃がさねェぞ〜っ!」









っぶねェだろ!!!ルパンっっっ!!!!


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       以上、「妄想ピース」より一遍。
       久しぶりにフィアットが描きたくなったので・・・
                          03/7/12


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