「本当にこっちで合ってるのか?」
「あぁ、もう少しで着くはずなのよ」
「じゃああれはなんだ?俺には道が分かれてるように見えるんだがな」
「それなんだよなぁ。この地図では一本道なんだっけどもなぁ・・・」
「要するに迷ったってワケか?」
「そォみたい」
「しかもこの有様・・・歩くしかねぇか」
「そォみたい」

目的地に辿り着くまでにあと何本煙草を咥えることになるやら。
次元は軽くため息をつくと、ピンッと親指を弾いた。

「右。・・・ウラ」
「オモテ」

次元の弾いたコインが、きれいな弧を描いてルパンの手の中に吸い込まれた。

「・・・オモテ。」
「決まりだな。」

短くなった煙草をプィッと吹き捨てると、帽子を被り直しながら次元が言った。
と、その背中にルパンがちょっと待ったとばかりに口を挟む。
「誰も左とは言ってないぜ?」
「なに?」
振り返ると、依然地図に目を落としていたルパンがニヤリと笑った。
「まっすぐって言うんだからまっすぐ行こうじゃないの?
 目に見える道だけがホントの道とは限らないってな」
「まっすぐって・・・絶壁じゃねぇか!正気か!」
「もっちろん正気よォ♪人生はいつでも“冒険”よォ!」

むしろ先刻より生き生きして見える相棒の顔を見ながら、
次元は肩をすくめてみせるしかなかった。
早くも相棒は荷物の中から組み立て式のハンググライダーを引っ張り出そうとしている。
――――付き合わされる俺の人生は“危険”だらけか。
次元のぼやきがルパンの耳に入ったかどうかは定かではない。






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   ま、そもそも彼らの選択肢に「戻る」っていうのは・・・
   ないんだろうな。

   FIATが小さくなっちゃったけど・・・ま、いいか。
   オモチャみたいで(笑)

                        05/01/22

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