「1番好きで1番嫌いだ」
めーこ様・作
「づあ〜〜〜〜、疲れたぜ〜〜〜」
ルパンが盗みの仕事から帰ってきた。
眼鏡をかけて変装したあいつの姿はまるで俺の知らない奴みたいで、
見ていると少し悲しくなってしまう。
そして言いたくなる。
俺はお前のことが…
「?どうした?」
「別に」
ぶっきらぼうに発した言葉は、あいつにはどういう風に聞こえるんだろう?
あいつの聞こえる物とは、一体どんな物なんだろう。
「今日頂いてきたモンは凄いぜ〜。見てみろよ、このダイヤvv」
「ああ、そうだな」
目も向けてないのにそう言った。そんな俺をあいつはどういう風に見ているんだろう?
あいつの見る物とは一体どんな物なんだろう。
「今日機嫌悪いのか?」
「はー…そのようだ…」
「????おかしな奴」
ルパンが服を着替えだす。
シャツのボタンを1つ1つはずしていく。
細い体だ。どこからあんなにも凄いパワーが出てくる?
どこからあんなにも生きる意志に満ちたパワーを出せる?
ルパンの着替えの様子をそんなことを考えながらみていた。
「おぉっと、こっから先はタダじゃ見せられないんだな、これがvむふふふふ」
手を差し伸べ、おどけた顔を見せる。
コイツに手を差し伸べられたとき、俺はやっと生きる意味を見つけた。
コイツが俺を生かしてくれているんだ。
コイツなしじゃ、俺は生きられないも知れない。
コイツは、俺の中で1番大切な存在なのかも知れない。
俺は…お前のことが…
その手を取り、こちらに引き寄せる。
「うわ!」
「なあ、お前は…」
お前は…オマエハ…オレノコトガ…
「何だよいきなり」
「…なんでもない。悪い、気にするな」
「…」
手を離すと、中断されていた着替えをしはじめた。
「別に、心配しなくても俺はお前の側を離れたりしねーぜ」
「!?」
「俺は、ちゃんとお前のこと好きだぜ」
「…」
「これを言って欲しかったんだろ?」
「…ふ、ふはははは」
「なんだあ?」
「ふん、俺はそんな趣味はないんでな」
「うふんvv愛してるわ次元ちゃんvv」
「だまれ」
「ほんとだって。1番愛してるぜ〜」
優しい手が俺の目の前に差し出される。
「ほら、まだ仕事残ってんだからな!」
「お前、今回のヤマは俺は嫌だって…」
「ん〜、ちょっとぐらい手伝ってくれても良いだろ〜」
「チッ…」
だから、俺はお前のことが…
|