Review & Memo


新ルパン三世
116話 『108つの鐘は鳴ったか』
 




■あらすじ■

今回のルパンのターゲットは悪運を解き、運をつかむ伝説の
七福神の黄金の宝船。
というのも、来年ルパンは天中殺を迎えるというのだ。
昔から、天中殺の年に黄金の宝船を手に入れると天下を取れる
という。その宝船が、降宝寺で除夜の鐘の鳴る間だけ公開される
らしい。
予告状を受け取った銭形の警備は万全。宝船をガラス箱ですっぽ
り覆うと、その周囲3メートルには10万ボルトの高圧電流を流
して待ち受ける。
しかも警備にあたっているのはマフィア京都支部。
その中に一際異様なオーラを放つスナイパーが一人。
ルパンを生け捕りにするように忠告する銭形に、府警署長が見せ
たのは暗殺許可証だった。

そうとも知らないルパンは、宝物殿の瓦を剥がして忍び込む。
ところが、例のスナイパーに察知されて呆気なく逮捕されてしま
った。しかしスナイパーの目的はルパンだけではなかった。
TV中継を利用して、ルパンをおとりに次元をも呼び出すスナイ
パー。
彼の名はアントニオ。7年前の12月31日、ニューメキシコの
サンタフェの教会からキャッツアイと呼ばれる宝石をルパンと次
元が盗んだ時に話はさかのぼる。同じ宝石を狙っていたアントニ
オは、ルパンらを襲撃。
ルパンと次元の銃弾は確実にアントニオの両耳を撃ちぬいた。
ところが、当時駆け出しだったアントニオの撃った弾は次元の左
腕に命中してしまうことになる。
耳を失ったアントニオは、マフィアの狙撃訓練所レッドスナイパ
ーに志願し、復讐のため腕を磨いていたのだ。
ルパンは銭形に、最後の頼みと除夜の鐘が鳴るまで待って欲しい
と言う。除夜の鐘を聞いて煩悩を捨てるのだと。
ところがこれもルパンの計算のうちだった。不二子はルパンから
鐘が100鳴ったら読んでくれという手紙を受け取っていた。
そこには耳栓3人分とスクリューを手に入れろと書かれている。
いよいよ108つの鐘が鳴り響いた。と、その途端参拝者や警備
のマフィアが次々と倒れていくではないか。
ルパンは釣鐘の中に催眠音波装置を設置し、108つの鐘が鳴る
と同時に作動するように仕掛けていたのだ。
高圧電流の電源を切り、宝船を運び出すルパン。

しかし耳がないアントニオだけはこの手が通じなかった。
ルパンらはなんとか琵琶湖まで逃げ、宝船にスクリューを取り付
けるや湖へと滑り出す。
それを追うアントニオのヘリ。アントニオのトミーガンが咆哮す
る。銃弾の雨の中、ルパンと次元の構えた銃が同時に火を噴いた。
勝負はついた。
左腕を撃ち抜かれ、落下していくアントニオ・・・。
いつの間にか夜は明け、東の空には初日の出がルパンらの新たな
門出を祝うように輝き始めるのだった。


■見どころ■ ポイント1:難関難関、またまた難関   厳重なる警備、しかも運び出すのも困難な巨大なお宝。   「車のエンジン」「スクリュー」「シーツ一枚」「耳栓」で   どうやってお宝(七福神の船)を盗むのかという点にドキド   キさせられ、時間がないのに、こともあろうにとっつぁんに   捕まり、どうみても盗み出すのは不可能という逆境にドキド   キさせられ、更には不気味な宿敵アントニオ・ウルフをどう   やって倒すのかというクライマックスにドキドキさせられ・・・。   そういう一筋縄ではいかない先が読めない展開が面白い。   ちなみに、「催眠音波で警官を眠らせて宝を手に入れる」、   これだけなら大したヒネリもなく話が進むんだけど、そこへ   「催眠音波が効かない敵、アントニオ・ウルフがいる」   という、ルパンたちにとっては予想外の落とし穴を用意して   いるから面白い。   なぜ催眠音波が効かないかといえば、アントニオ・ウルフは   耳が聞こえないから。   なぜ耳が聞こえないのかといえば、昔、ルパンと次元に耳を   撃ち抜かれたから。   なるほど、それで復讐に燃えたアントニオ・ウルフが登場す   るのか・・・と、この辺もストーリーに無理や破綻がないよう   さり気ない計算が窺える。 ポイント2:「七年前の古傷がな、冬になると疼くんだ」   ・・・次元は何を言わせてもカッコイイ・・・!! ポイント3:絵参照(↑)   ラストの銃弾の嵐の中、一発で決めるルパンと次元。   これだけでも十分痺れさせてくれる。 ポイント4:ルパンの絵心   何かにつけて才能を発揮すルパン。この回でもルパンに絵心   があることが証明される。   ルパンの描く七福神は驚くほど上手い!?
■データ■ <放送日>  1979年12月31日放送 <スタッフ>  脚本/宮田雪  絵コンテ/石原泰三  演出/三家本泰美  作画監督/北原健雄、児玉兼嗣 <キャスト>  小野丈夫、池水通洋、北村弘一、宮田勝、水島鉄夫、長堀芳夫、  田中康郎
■プチ用語■ 大晦日  大晦日に放送されたエピソード。ルパンが捕まった姿は「ゆく年  くる年」でも中継される。 アントニオ・ウルフ  7年前にルパンと次元が倒した殺し屋。 「晦日(つごもり)の 鐘が鳴るなり 隆法寺」  宝物殿の屋根に寝転んだ五右ヱ門が詠んだ一句。  ルパンに「どっかで聞いたことあるな」と突っ込まれる。 天中殺  劇中で話題になっている天中殺とは、算命占星術の用語。  この頃、天中殺に関する本がきっかけになり、天中殺ブームが  起きていた。


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