■あらすじ■

ルパンの大切なコレクション、通しナンバーで３万枚のナポレオン
紙幣を盗んだ男がいた。彼はファンダーラ教の信者だった。

ネパールの奥地、ファンダーラ。
ファンダー教の教祖ファンダーが、信者らの前に立つ。
すると一人の信者が前へ進み出た。信者は持ってきた宝石を全てゴ
ミだめに捨て、服を脱ぐとファンダーのマントの中へ・・・
すると忽然と信者の姿が消えうせた。
俗世を捨て、輝かしい聖地に導かれたというのだ。
その光景を見てうさんくさいと挑発するルパン。気分を害したファ
ンダーラはルパンをにらみつけると去っていった。

ルパンの予想通り、このパフォーマンスには裏があった。
ファンダーラの地下。先ほど聖地に召されたはずの男ガチョと、女
ルシアが宝石と札束の山に埋まってはしゃいでいる。
実はファンダー教は泥棒教団だったのだ。
聖地に導く儀式は、世界各地から宝石などを集めてきた泥棒組織の
仲間の逃亡を手助けするかくれみのだった。
だが、乾杯のあと、ガチョは突然苦しみ出す。
ファンダーはこうして帰還した部下を、愛人のルシア以外すべて口
封じに殺していたのだ。

翌日、次に戻ってきたヒデキをファンダー教はいつものように
儀式でトリックをつかって消す。地下に降りたヒデキ。だがそれは
ルパンの変装だ。ところが、地下室の通路を歩いていたところ、頭
上から液体が降り注いできた。
ドロドロと変装用のノリが溶けてゆく。
変装防止液だ。地下に入る前に部下を裸にしたのはこのためだった
のだ。
そこへ儀式を終えたファンダー教の足音が。

慌てて溶けた変装材を再利用して壁の一部と化すルパン。
だが結局捕まってしまったルパン。
ファンダーはルパンに組織のメンバーになれと命令するが、ルパン
は首を縦に振ろうとしない。とうとう毒入りのリンゴを食べさせら
れ、ルパンは絶命・・・。

だがそれは油断させるための罠だった。
先ほどの変装防止液を風船のようにしてのどに仕込み、リンゴを
全てそれにくるんで胃に入らないようにしていたのだ。
いつの間にかファンダー教の背後には銃を構えた次元が。
五右ヱ門もいる。ナポレオン紙幣も戻り、いよいよファンダーと対
決だ。
しかし、ファンダー教は死んでも宝石は渡さない、と体にダイナ
マイトを巻きつけていた。ダイナマイトの起爆装置を押すファンダ
ー。脱出するルパンたち。
大爆発とともに、泥棒教団ファンダー教はヒマラヤの塵となるのだ
った。



■見どころ■

ポイント１：色っぽさにドキドキ
　　あいかわらずルパンの裸はセクシー。特にまったくの裸よりも
　　腰布を巻いた姿の方が色っぽく見えたり。

ポイント２：決めセリフ
　　「返せとはいわネェさ。だがお返しはさせてもらうさ。
　　　二度と俺のモノに手をつけねえようにな」
　　原作でもこのセリフは最高にカッコイイ!!!

※これも原作ネタ。これも原作がイイ。原作ではルパンが歯に小型
　無線通信機を仕込んでいて、いつの間にか次元が教祖の背後に潜
　んでいる・・・という展開。ここの次元がとてもカッコイイ。
　銃を向けてるわけでもなく、ただ椅子の後ろに座ってるだけなの
　に何でこんなにカッコイイのだろう（笑）
　しかも後ろ向きに銃を撃ってルパンの縄を解くなんてのを、これ
　またサラリとやってのけてしまうから参ってしまう。
　原作とアニメではラストが違う点も踏まえて、両者を見比べる楽
　しみがある作品。
　サブタイトルもちょっとカッコイイと思ってしまうのは私だけか？



■データ■

<放送日>
　1980年4月21日放送
<スタッフ>
　脚本／高屋敷英夫
　絵コンテ／石原泰三
　演出／三家本泰美
　作画監督／北原健雄、児玉兼嗣
<キャスト>
　及川ヒロオ、尾崎圭子、広瀬正志、笹岡繁蔵、塚田正昭



■プチ用語■

「変装防止（前編）」「変装防止（後編）」
　それぞれ原作「新ルパン三世」６９話、および７０話。
　この回に相当するエピソード。
ファンダーラ
　ネーミングはガンダーラから。ガンダーラとはパキスタン北西
　部の歴史上の地名。この当時、ＴＶドラマ「西遊記」の主題歌
　としてゴダイゴの同名の歌で勇名だった。
ナポレオン紙幣
　ここでもナポレオンがらみのお宝が登場。ナポレオン紙幣はルパ
　ンの大切なコレクション。通しナンバーで３万枚あるらしい。
　五右ヱ門はこの紙幣を「お主の恋人」と言っている。
ファンダー教祖
　興奮すると髪が逆立つよう、設定画に指定されている。
　なるほど、確かに立っている・・・。
「ルパン三世パーフェクトコレクション」
　ベスト版アルバム「ルパン三世パーフェクトコレクション」の
　パッケージになっている、裸のルパンのスチールはこの話の
　セル画。
　スチールでルパンが持っている札束が、ナポレオン紙幣である。