■あらすじ■

ルパンのもとに不二子から甘いお誘いの手紙が届いた。
パリで世界有数のダイヤ“ホワイトムーン”のオークションが
開催されるという。
出展社はカナディアンダイヤモンド鉱山社。美食家として有名
な社長のサーモン・ホイッチニーは、野ネズミの研究でも名を
はせている男だ。
早速パリへと向かうルパンだが、五右ヱ門だけは斬鉄剣の試し
斬りをしにカナダに行くということで今回はパス。

さて、パリのオークション会場ではマダム・ド・ブースという
婦人がダイヤを落札していた。その直後、マダムにルパンから
ダイヤを戴くという予告状が届く。しかしルパンには身に覚え
がない。不二子の仕業だ。
とりあえず、ホイッチニーに誘われてカナダへ行ってしまった
不二子を呼び戻すためにも、ルパンは予告状どおりダイヤを狙
うことに。
ところが、マダムの家の金庫に地下から穴をあけたはいいが、
目の前でネズミたちがダイヤを横取りして走り出したではない
か。
慌てて後を追いかけるルパン。

ネズミは地下水路を走り抜け、邸宅横の川へ・・・そして、
川へダイヤを放り投げた。と、それをキャッチしたのはなんと
キング・サーモン。
驚くルパンたちの前で、次々とネズミがサーモンにダイヤをパス
していく。そして次の瞬間、ネズミたちは時限爆弾によってふっ
飛んでしまった。
「誰がこんな酷いことを」

ルパンは助けたネズミを船に乗せ、サーモンの行方を追うことに
した。するとたどり着いたのはホイッチニーの鉱山内の秘密基地。
なんと、ここでホイッチニーはサーモンの胃袋からダイヤを回収
していたのだ。
自ら売ったダイヤをそうやって回収していけば、永遠に鉱山が枯
れることはない。
この方法で手に入れた世界中のダイヤがホイッチニー鉱山の正体
だった。
そこにきてルパンのように回収前にダイヤを盗んでしまうような
腕のいい泥棒はホイッチニーにとっては目障り。
そこで今回の事件を仕組んで、ルパンをおびき出したのだ。

秘密を知ったルパンたちを、四方八方から飛び交うダイヤの弾が
襲う。が、そこにタイミングよく駆けつけたのは五右ヱ門。
そのままルパンたちは車で逃走を始める。しかしホイッチニーに
はまだ奥の手があった。なんと、身の丈以上もある巨大な雪の玉
がルパンを追いかけ始めたのだ。
アッチに逃げてもコッチに逃げても、まるで意思をもった機械の
ようにルパンのあとを追いかける雪の玉。
それもそのはず、雪の玉はホイッチニーが開発したもので、コン
トローラーに相手の指紋をインプットするだけで、その相手をつ
ぶすまで追い掛け回すという代物なのだ。
いよいよ追い詰められたルパンは雪玉の下敷きになってしまう。
しかし、ルパンは死んではいなかった。寸でのところでネズミに
助けられ、すぐ脇にあった逃げ道に飛び込んでいたのだ。
喜んで外に飛び出していったホイッチニーと入れ替わりにコント
ローラの前に座るルパン。今度は逆にホイッチニーの指紋をイン
プットしてホイッチニーに仕返し。
必死に逃げるホイッチニーに、ルパンと不二子は「ホイッチニ、
ホイッチニ♪」と楽しそうに掛け声をかけるのだった。



■見どころ■

ポイント１：ルパンのタイピンはダイヤモンド。
　　っていうのは有名な話だが、ここで証明されている。

ポイント２：「マダムドブス」「ドブースざます！」
　　銭形とドブースのやりとりは何度見ても可笑しい。

ポイント３：「カナダには梅干もたくあんもねぇぞ」
　　大木を試し切りしまくる五右ヱ門。
　　もっと太い木のあるカナダで試し斬りしたい、という五右ヱ
　　門に対して次元が言った一言。ちなみにこの言葉に対して
　　五右ヱ門は―――。
　　やはり五右ヱ門にとっては３度の飯より斬鉄剣、らしい。

ポイント４：カナダで大木を斬りまくる五右ヱ門。
　　「だめだ・・・これではただの自然破壊だ」
　　このちょっと天然な五右ヱ門がおかしくてたまらない。
　　ボケとツッコミを一人でやってしまっている。

※それにしても新ルのルパンってばホントに不二子に弱いなぁ･･･。




■データ■

<放送日>
　1980年6月16日放送
<スタッフ>
　脚本／高階航
　絵コンテ／佐々木皓一
　演出／三家本泰美
　作画監督／北原健雄、児玉兼嗣
<キャスト>
　雨森雅司、京田尚子、寺田誠、中村秀利



■プチ用語■

鴨ネギ
　鴨のオレンジ煮が気に入らない次元。
　「鴨にはネギがお似合いだ」と一言。
ホイッチニー
　ルパンはホイッチニーを「太ったソクラテス」と呼ぶ。
　これは東大の大河内一男総長の「太った豚より痩せたソクラ
　テスになれ」という名言から。
狼は走れ　豚は転がれ
　サブタイトルは映画『白昼の死角』のキャッチコピー
　“狼は生きろ　豚は死ね”から。