■あらすじ■

ソビエトのクレムリン宮殿にあるという、すべてダイヤモンドで
つくられたシャンデリアを盗んで欲しい、と不二子に色仕掛けで
迫られたルパンはモスクワに。

ロマノフ王朝時代から伝わるというそのシャンデリアは、今まで
国家機密になっていたが、モスクワオリンピックを機会に世界に
発表されることになったのだが、重さが６トンもあるのだという。
銭形に変装してクレムリン宮殿に侵入するが、国家秘密機関
“スー・ケー・ベー”の女取締官ナターシャに捕まってあっとい
う間に牢屋に閉じ込められてしまった。

だがこれも不二子の計画通り。
ルパンは監獄でダンチョネという老人に会う。ダンチョネはシャ
ンデリアの修理師で、シャンデリアのダイヤを合計２８万６千
７８９個をすべて１本の見えない糸で結ぶことができる
のだ。その修理中にこっそりダイヤをくすねたところ捕まって
しまったらしい。
ルパンとダンチョネの入れ替え作戦が始まった。ルパンはダン
チョネに変装し、シャンデリアの最後の修理に赴く。
そして慣れない手つきでダイヤを結び終えると、用意していた
釣り糸に結びつけた。

その頃、次元はソビエトのブスイギン首相のもとに変装して近づ
き、日本のテレビ局よりクレムリン宮殿の美観を損ねない透明の
雨どいが寄付された、と告げた。
喜んだブスイギン首相はさっそく宮殿に取り付け作業を開始する。

いよいよオリンピックが始まった。
オリンピック開催式当日、クレムリン宮殿で次元が仕掛けておい
た爆弾が爆発した。
大騒ぎになる宮殿。そのどさくさに紛れてルパンが電動リールの
スイッチをオン！釣り糸に引っ張られたダイヤが次々に宮殿の外
に引っ張られ、雨どいの中に。ダイヤは雨どいを転がり、最後に
ピッチングマシーンで大空に放り出される。
次々に空へ消えていくダイヤ。

その頃、ルパンはダンチョネに殴られ気絶していた。
ダンチョネは不二子とつるんでいたのだ。いや、ダンチョネだけ
ではない。
なんとナターシャもグルだった。実は二人は親子で、資本主義国
へ亡命して暮らすために不二子と手を結んだのだ。
３人はダイヤの落下地点へとヘリを飛ばす。ダイヤが飛んでくる。
１つ・・２つ・・・３つ・・・ところが、いくら待ってもそれ以上
ダイヤは落ちてこない。
それもそのはず、ルパンが飛んでくる途中に幕を張り、残らずキャ
ッチしていたのだった。



■見どころ■

ポイント１：国家秘密機関
　　・・・なんてカッコイイ肩書きなのに、ナターシャの凛々し
　　さといい、ビシッと決まってるのに、その名は
　　「スー・ケー・ベー」。
　　国家秘密機関スー・ケー・ベー。
　　終いには「オカチメンコ女子」なんて出てくる日には
　　締りがあるんだかないんだか！？はらーしょっ！
　　ギャップが可笑しくて仕方ない。

ポイント２：アドリブ？
　　銃撃で倒れる瞬間、ルパンが時事ネタを小さく呟いている。
　　必聴。

ポイント３：「ほいさっ」
　　ルパンとじいさんの着替え（取替え）シーンもチェック。
　　ルパンの縞々パンツに飛んできたのは・・・？
　　スローでどうぞ。
　　「ほいさっ」「ほいさっ」の掛け声にも注目。よく聞くと
　　「靴下」「靴下」「は」「は？」になってます。
　　だから飛んできたわけか（笑）

ポイント４：惜しげもなく見せちゃうのか！！
　　次元の監視を交代させてほしいっっっ！世の次元ファンが
　　叫ぶ瞬間。ちなみにこの回の次元はルパンとおそろいの縞々
　　パンツ。

ポイント５：ルパンはやはりサル・・・らしい。
　　この回でもルパンは「よくサルに似ている」と言われる。
　　一体何回サルと言われてるんだろう（苦笑）

ポイント６：今回の絵の元ネタ
　　「モスクワは秋であろうか。さすればモモヒキなど持って
　　　いかねば」
　　「モモヒキどころの騒ぎじゃネェよ。モスクワはオリンピ
　　　ックだぜ」
　　「おぉ、しちりんの祭典か。」
　　「五右ヱ門よ、五輪と言ってくれネェか、五輪とよ」
　　この次元と五右ヱ門の会話がおかしい。

ポイント７：最大のポイント？
　　ラスト、ダイヤの重みでコテンっとひっくり返る次元が
　　愛しい！！




■データ■

<放送日>
　1980年6月30日放送
<スタッフ>
　脚本／高階航
　絵コンテ／高屋敷英夫
　演出／高屋敷英夫
　作画監督／北原健雄、朝倉隆
<キャスト>
　藤本護、信沢三恵子、八奈三乗児、加藤正之、青木和代、
　山本敏之、作間功



■プチ用語■

オリンピック
　この年、モスクワでオリンピックが開催された。モスクワに
　ちなんでルパンも現地のキャラクタも「ハラーショ！」とい
　うセリフを連発。
　また、モスクワ警察の長官はモスクワオリンピックのマスコ
　ットキャラクタのミーシャのぬいぐるみを抱えている。
ドブロクスキー
　次元が使った偽名。