Review & Memo


新ルパン三世
144話 『不二子危機一髪救出作戦』
 




■あらすじ■

ルパンのアジト。何やらルパンが豪華なフランス料理のフルコース
を並べている。今日は不二子の誕生日なのだ。
玄関のチャイムに意気揚々と躍り出るルパン。
ところがそこにいたのは不二子・・・ではなく、バギーに乗った
妙ちくりんな2人の老人。
なんだなんだ?と思う間もなく、老人は「ぞいぞい、ぞいぞい」
なんて言いながらバギーでアジトの中を暴走し、散々滅茶苦茶に
して去って行ってしまった。
パーティの料理は台無し、ボロボロ。
何が起こったのかわからずルパンは呆然。
見舞いに来た五右ヱ門に愚痴をこぼしているところへ、次元が不
二子誘拐の情報を持って飛び込んできた。
どうやら犯人は先ほどの乱入者だったらしい。

不二子はカルカチーナ共和国の中央広場の大きなガラス貯金箱の
中に監禁されていた。
黒幕のボスはカルカチーナ共和国のモケール観光大臣。
世界有数の観光国だったこの国も不景気で、その収益は右下がり
の一方。
そこでルパンの恋人不二子を人質に、ルパンと貯金箱にとりつけ
た防犯装置との対決を見世物にして観光収益を回復させようとい
うのが目的だった。
そして、その計画を依頼され実行したのが例の老人、なんじゃも
んじゃ兄弟だ。なんじゃもんじゃ兄弟はルパン一世のライバルで、
今はもう隠居の身だったのだが、モケール観光大臣が担ぎ出した
というわけだ。

約束どおり計画を遂行したことへの報酬を要求するなんじゃもん
じゃ兄弟。
ところがモケール観光大臣はルパンを始末してからだ、と待った
をかける。
こっそり探ってみたところ、どうやら報酬を払うつもりがないら
しい。

さてそんなことは露知らずのルパンが、カルカーナ共和国へとや
ってきた。
カルカチーナ共和国ではこの一大イベントを盛り上げようと様々
な観光グッズが販売され、街中お祭り騒ぎ。
いよいよ大観衆の見守る中、なんじゃもんじゃ兄弟とルパンの
対決が始まった。不二子が入った貯金箱に、大観衆から次々に
金貨が投げ込まれていく。このままでは不二子が金貨に溺れて
しまう。
急いで救出しようと貯金箱に近づくルパン。
ところがそれはただの貯金箱ではなかった。なんと、貯金箱の
下には2千本のダイナマイトが仕掛けられており、カギで開ける
以外の方法を使うと大爆発を起こすようになっているのだ。
そのカギというのが、ルパンロックというもので、ルパンの体
ピッタリに作られた鍵穴にルパンが入るというもの。
ただし、入ったとたんに100万ボルトの電流が流れてルパンは
黒コゲ。
流石のルパンもこれには手を出せず、いったん出直すことに・・・。

再びルパンがスタジアムに現れた。そして、次元たちが止めるの
も聞かず、ルパンはルパンロックの中へ!
100万ボルトの電流がルパンに流れ込む。
貯金箱が開き、不二子が救出された。
涙を流し、ルパンを抱き起こす不二子。
と、ルパンの胸から小さな機械が・・・
ルパンは生きていた。命を救ったのは超高性能集電装置だった
のだ。
ルパンは集めた電流を放電し、モケールの兵士たちに反撃。
一方なんじゃもんじゃ兄弟は、自分たちを騙そうとしたモケール
から、金庫ごと金を盗んで速やかに撤退。その金で泥棒養老院を
作るのだと。
その入会券をもらったルパンたちは「粋なマネをしてくれるぜ」
と笑うのだった。


■見どころ■ ポイント1:冒頭のルパン   ・・・はあまりにも健気で哀れ。泣けてきます。   あんなに張り切って用意していただけに・・・ムゴイ(苦笑) ポイント2:ぞいぞい。   「なんじゃもんじゃ兄弟」というネーミングも可笑しいが、   呪文のように繰り返される「ぞいぞい」が耳から離れなく   なる一作。「老婆とルパンの泥棒合戦」の「ゲヨゲヨ」と   いいとこ勝負!? ポイント3:去った「フリ」をするなんじゃもんじゃ兄弟。   モケール観光大臣に「金なら払う。もう一度ルパンを追い   払ってくれ」と言われ、部屋を出るなんじゃもんじゃ兄弟。   扉のこちら側で「ぞいぞいぞいぞい・・・」と去った   “フリ”をするところが個人的にちょっと好きだったり。   とぼけた顔して一応抜け目はない、どこか憎めないキャラで   ある。 ポイント4:ルパンロックに入ろうとするルパン。   次元「よせ!ルパン!女は他にもいるんだ!!」   ルパン「うるさ〜いっ!オレには不二子しかいねぇんだ!!」   次元・・・(笑)   でもルパンも「女は不二子だけじゃない」と言い切ったことが   あったような?(『狼は走れ豚は転がれ!』) ポイント5:今回の絵   不二子が素直に「愛してる」というシーンはいい。   裏切ってばかりだが、たまにこういうシーンがあるから憎めな   い。 ポイント6:ドロボーさんの老後。   「考えてみれば拙者たち、老後の保障はなんにもない。」   五右ヱ門のセリフにやけにリアルな重みが・・・(苦笑)
■データ■ <放送日>  1980年7月21日放送 <スタッフ>  脚本/杉村のぼる、桂一水  絵コンテ/石原泰三  演出/三家本泰美  作画監督/北原健雄、朝倉隆 <キャスト>  和久井節緒、北村弘一、西尾徳、西村知道、勝田直樹、  松田重治
■プチ用語■ 不二子の誕生日  18話(2月)、81話(4月)に続き3度目(7月)の  不二子の誕生日。 観光みやげ  143話に続いてルパンの観光記念グッズが販売されている。  内容はルパンせんべい、ルパンコーラ、ルパンバッチ、ルパン  スタンプなど。 「ルパンの辞書に不可能はないぜ」  この回でもルパンはナポレオンのセリフを引用している。


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