Review & Memo


新ルパン三世
145話 『死の翼アルバトロス』
 




■あらすじ■

夕暮れどきのルパンのアジトでは、ルパン、次元、五右ヱ門が
鍋を囲んでスキヤキをつついていた。
と、そこへ機関銃片手に乱入してきたのは不二子。
それを追って飛び込んできた車と激しい銃撃戦に巻き込まれ、
スキヤキは台無し。
あっという間に嵐のように去っていった不二子。
と、鍋の中に何やら置き土産が・・・

調べてみるとその正体は小型の原爆用発火プラグだった。
早速ルパンは銭形になりすまし、原爆用プラグを作った
ロンバッハ博士のいるロンバッハ航空博物館へと潜入を開始
した。

博物館の中には復元間近な巨大飛行艇のアルバトロス号の姿も。
あれに原爆を積み、死の商売へのフライトをするのだろう。
さぞ大儲けできるでしょうな、と大胆にもロンバッハに探りを
入れる銭形ルパン。
しかしロンバッハもルパンが訪れるのを事前に予想していた
らしい。ルパンの変装を見破ると、ルパンに原爆用プラグと
不二子の人質交換を提案する。

そしていざその取引の場所へ。

ところがこの取引には銭形がバックについていた。
銭形の罠にはまったルパンは原爆用プラグも不二子も取られた上、
お縄を頂戴してしまうことになる。何とかその場を脱走し、
不二子たちの後を追うルパン。
しかしあと一歩というところで不二子と原爆を乗せたアルバトロ
スは死の翼を広げ、空へと飛び立ってしまった。

急いで引き返し、ルパンたちは博物館のオンボロ飛行機に
乗り込んで後を追う。銭形がくっついてきてしまったが、
もう引き返している暇などない。

そして、いよいよ大空でアルバトロスに追いついた!
ルパンの飛行機に気付いた不二子は早くもアルバトロスの中で
大暴れを始める。
激しい銃撃戦の後、とうとうアルバトロスを占拠したルパンたち。

さて後は海に着陸するだけ・・・
ところが、いつの間にか下は陸地になっていた。これでは着陸
できない。
そう思っていたら目の前に巨大な山岳地帯が!
このままでは衝突して原爆が爆発してしまう。とにかく機体を
軽くするんだ!
急いで手当たり次第にアルバトロスの積荷を機体から投げ捨てる
次元たち。そしてなんとか間一髪で山岳地帯を越えたルパンたち
は、ようやく着陸できそうな湖を見つけた。

ロンバッハも、原爆を持って逃げようとしていたところを銭形に
捕まり、これで一件落着。
と、大喜びで抱きついてきた不二子に、ルパンの手がスルスル
スル・・・
サッと不二子の髪から引き抜いたのは原爆用プラグの設計図。
「次元、捨てちゃいなさい」と次元に設計図を渡すルパン。
設計図は次元の手で紙ふぶきとなって空に舞った。
ぷぅとむくれる不二子に、ルパンは軽くキスしてなだめるの
だった。


■見どころ■ お勧めの1本。 宮崎駿らしい飛行機のフォルムはどれもどこか温かみがあって 一見の価値あり。また、ルパンや次元といえばスーツ姿。 でもこの回に限ってはそのスーツ姿のシーンの方が短いくらい。 この辺りに宮崎駿の意図が・・・ ポイント1:スキヤキシーン   スキヤキにビールを入れる次元、ふてくされるルパン、   肉の取り合い、「五右ヱ門、ネギ食え!ネギ!!」。   どこまでも賑やかで楽しい。   飛び込んできた不二子にビックリしながらもスキヤキを   離さないルパンも「らしい」。   飛んできた手投げ弾をポーンと蹴飛ばすルパンの余裕っぷり   がいい。 ポイント2:銭形の面で口パクするルパン   妙に好き。すごく好き。 ポイント3:ボートで追いかけろ!   ルパンの髪のなびきっぷりがいい。目の輝きがいい。   こういうの大好きだ〜っvvv ポイント4:飛行機で追いかけろ!   何でもアリよ〜っと言わんばかりに大暴れ。この飽きさせ   ない展開の早さが好き。テーマは重いのだけれど、こういう   ドタバタや、どこか憎めない敵たちの演出のお陰もあって   か、意図的にテーマについて考えさせようとする空気は   あまり感じられない。 ポイント5:賛否両論、不二子の反撃。   宮崎駿の不二子はやたらと元気!(というより精神的に   幼い?)どっちかっていうと旧ルのコケティッシュで   ミステリアスな不二子が好きなのだけど・・・   でもロンバッハと手投げ弾を投げあうシーンの、あのふざけ   っぷりは文句なしに楽しいのだ(笑)   アルバトロスから荷物を放り捨てるシーンなんて、鼻息が   聞こえてきそうなくらい。   (←巻き添えを食らった次元のビビリようが更に可笑しい) ポイント6:「不二子、起きろ。不二子」   滅多に見られないルパンのシリアス顔にドキドキしたのは   私だけではないはず。次のシーンで笑ったのも私だけでは   ないはず。次元もとっつぁんも一体どうなってんだ〜(笑) ポイント7:そして今回の絵このシーン。   この間の抜けたリズムが可笑しくて大好き。   もちろんあのカリオストロでも御馴染みv   よっぽどこれが好きなんでしょう、宮崎さん。   ちなみに「カリオストロ走り」と雰囲気は似ているが、   ここでは二人三脚のように見えて実はもっと高度な走り方を   していたり。   これはよっぽど息が合ってないと難しそう・・・!? ポイント8:ルパンのキスシーン。   不二子をなだめるためにほっぺに軽くキスするルパン。   ここの首の傾げ方といい、目の閉じ方といい、キスの軽さと   いい、全てがツボ。プイッ!と不二子にそっぽを向かれても   満足そうに笑うルパンがいいなぁv
■データ■ <放送日>  1980年7月28日放送 <スタッフ>  脚本/照樹務  絵コンテ/照樹務  演出/照樹務  作画監督/北原健雄、丹内司 <キャスト>  根元嘉也、徳丸完、長堀芳夫、笹岡繁蔵
■プチ用語■ 照樹務  「ルパン三世」における宮崎駿のペンネーム。  旧ル中盤から高畑勲と共同で演出を担当している。  彼が担当した新ルはこの回と最終回。どちらも評価が高く、  単独で絵コンテ集やフィルムコミックスなども発行されている。 スキヤキ  次元はコクを出すためだとビールを入れている。  ルパンと次元が肉の取り合いをしている隙に、横から鍋の残り  の肉をかっさらったのは五右ヱ門。意外としたたかである。  そのとき五右ヱ門に言ったルパンのセリフは  「ネギ食え、ネギ。日本人だろうが!」 次元の嫌いなもの  「オレは放射能とニンニクは嫌いなんだよ!」  とは次元のセリフ。


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