■あらすじ■
南フランスのニースの浜辺でバカンスを楽しむルパンたち。
いや、楽しんでいるのはルパンと不二子だけ。
次元と五右ェ門はビーチパラソルの下で不機嫌そうにジュースを
飲んでいる。まるでやる気ナシ。
ニースの港に大量のキンバレー産のダイヤの原石が届いた。
これが今回のターゲットなのだが、次元と五右ェ門は乗り気では
ない。仕方なくルパンと不二子だけで動くことに。
夜、ルパンと不二子は港にあるトレーラーの倉庫に潜入。
夕刻、ターゲットとなるトレーラーにつけておいた印を頼りに
トレーラーを見つけようというのだ。
ところが、それを予測していた銭形ら警官隊がルパンたちに
飛び掛かる。かろうじて逃げ切るも、あと少しというところで
銭形の投げ手錠が不二子の足に！
助けに来た五右ェ門たちに急かされ、後で助けに行くことを誓い、
とりあえずその場を後にするしかないルパン・・・。
ダイヤの原石を積んだトレーラーは警官隊に護衛されながら、
パリの国際ダイヤモンド輸出機構本部へと輸送される。
ルパンは必ず不二子とダイヤの原石を狙って、ハイウェイ上の
どこかで手を出してくるはずだ。
しかし今回はルパン逮捕に絶対の自信がある銭形。
というのも、ハイウェイ上のＸ橋にルパンが来ると、橋げたが
傾いてルパンの車もろとも川に浮かぶ捕獲船に落としてしまう
という、何とも大掛かりな仕掛けを用意しているのだ。
ハイウェイの途中でルパンがちょっかいを出してくるが、橋を
操作するリモコンを手に「Ｘ橋までは・・・」とグッと我慢す
る銭形。
銭形のいつもと違う様子を見て「これは何かある」と察した
ルパンは、突然ハイウェイを下りてしまう。
そして野を越え山を越え池を越え、途中の修理工場で見つけた
トレーラーにハッと車をとめる。
「次元、あれ、動くと思うか？」
ルパンの指示で次元はトレーラーに乗り込み、五右ェ門は船に
乗り再びＸ橋へ。そしてルパンは単独でハイウェイに戻る。
Ｘ橋の直前でルパンが取った行動は・・・
なんと、銭形のパトカーに乗り移るというもの。
そして、運命のＸ橋!!!
次元のライフルがトレーラーのコンテナの固定具を撃ち抜き、
五右ェ門の斬鉄剣がハイウェイのガードレールを切断する。
コンテナはハイウェイの下の道路の次元のトレーラーの上に
着地した。
こうなればルパンもろとも共に落ちるまで!!
と、リモコンのスイッチを入れる銭形。
しかし間一髪でルパンは落下する車から不二子を救出し、
銭形だけが捕獲船の中へ・・・。
哀れ銭形はそのまま刑務所に連行されるのだった。
■見どころ■
ポイント１：「道がなけりゃ作っていくまでよ〜っ！！」
やっぱりこういうルパンは見ていて気持ちいい。
チェイスもの、殊カーチェイスはテレコムの得意とする
ところ。
それを証明するかのような生き生きとしたカーチェイスは
本編一の見所。
草っぱらを掻き分け、池に潜り、崖っぷちをジャンプ！
ただのカーチェイスの中にもあり得ないようなユーモアが
あり、次元や五右ヱ門の表情の変化があり、全くもって
一遍通りではない。だからこそ何度見直しても興味が尽き
ない。
ポイント２：ポイントはＸ橋。
こういう手があったか！
と今見てもルパンのこのアイディアには感心してしまう。
中学になって改めて新ルのビデオを片っ端から見直した
ことがあるのだが、この話は私が幼少期に観たものの中で、
唯一「これは観たことがある！」と思い出せた話だったり
する。（あとの話はほとんどうろ覚えだった）
しかもちょうどこのコンテナを隣の橋に移すシーンだけは
鮮明に覚えていた。幼心にもあのアイディアはなぜか印象
に残るものだったらしい。
ポイント３：ハエの動き
冒頭のニースの浜辺でのやりとりで、さり気なく次元と
五右ヱ門の周りを飛んでいるハエ。ストーリーとは全く
関係ないのだが、その動きには思わず目を奪われてしまう。
たかがハエ、されどハエ。
ああいう動きに対する洞察力の凄さもテレコムならでは。
五右ヱ門が一瞬の隙をついて落とすところも要チェック。
ポイント４：ルパンの水着姿
今回は黄色と赤のボーダー柄＋サングラス。
なぜこの男はこんなにもボーダー柄が似合うのだか！
■データ■
<放送日>
1980年9月8日放送
<スタッフ>
脚本／宮田雪
絵コンテ／吉田しげつぐ
演出／吉田しげつぐ
作画監督／北原健雄、丹内司
<キャスト>
広瀬正志、中田順一、川上八郎
■プチ用語■
SUBARU360 Van
ルパンたちが乗った車。
テレコム
この回もテレコムの作画担当。荒野を駆け抜けるカーチェイス
ではテレコムの本領発揮。
「孫子の兵法に曰く、敵を知り、己を知れば百戦百勝」
とは五右ェ門のセリフ。
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